北朝鮮で17年間医療支援活動を行ってきた韓国系米国人サンドラ・ソ氏に対して北朝鮮政府は「謀略行為」を行ったとの理由で9日に国外追放にした。
孤児院撮影が「反共和国謀略行為」?
今年で81歳になるソ氏は、「ウィート・ミッション」というキリスト教精神をベースにした支援団体を設立し、北朝鮮に医薬品、医療機器、食糧、衣類、靴、毛布などを送り、現地でも医療支援を行うなど根気強く活動を続けてきた。
ところが、北朝鮮の朝鮮中央通信はソ氏が、1998年から人道主義支援の美名の下に北朝鮮を何度も訪れ、密かに画像や動画を撮影し反北朝鮮謀略宣伝行為を行ってきたと非難した。
同団体で北朝鮮の障がい者支援活動を行ってきたミラル宣教会の関係者はラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に対して次のように述べた。
「動画は許可を得て撮影したものだ。孤児院の映像は、支援品がきちんと行き届いていることを、支援者たちに見せるためだ。ソさんは活動を大々的に宣伝しようとはせず、根気強く活動を行ってきた。追放される理由はない」
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面同じく、ソ氏と共に支援活動を行ってきた韓国系米国人のパク・ウォンチョル氏はボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対して「(違法活動は)全くしていない。いいがかりだ」と語った。
パク氏によると、ソ氏とともに、平城(ピョンソン)と沙里院(サリウォン)での医療支援目的で先月21日に入国した。しかし、中国で「はしかが流行している」という理由で平壌から出ることを許可されなかった。
最終的に、活動を諦めて医薬品をガイドに手渡したうえで、先月24日に出国しようとした。しかし、パスポートに問題があるとして二人は飛行機への搭乗を許されず2週間拘留され、今月9日に国外追放されるに至った。
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