相次ぐ追放で援助が減るおそれ

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北朝鮮は、2月にもドイツのNGO、世界飢餓援助(Welthungerhilfe)の平壌事務所長を理由を明らかにしないまま国外追放にした。

概ね、ヨーロッパの民間支援団体は、政治的には中立な立場で支援活動を行ってきた。さらに、米韓の支援団体が、政治的理由で北朝鮮と衝突した時には、仲介するなどその活動は広く評価されてきたはずだった。

北朝鮮当局のこうした処置が相次げば、支援の先細りは避けられない。実際、国連の発表によると、北朝鮮への人道支援の規模は、2004年から10年間で6分の1に激減している。

激減の最大の理由が経済制裁とはいえ、北朝鮮当局の一方的な処置も、人道支援団体を足踏みさせている。

北朝鮮は、90年代の大飢饉「苦難の行軍」時代に比べると、経済状況や食糧事情は改善しつつある。しかし、庶民レベルでは未だに基本的な生活条件が整っているとは言いがたい。

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こうした問題を解決するためには、北朝鮮自身の自浄努力に加えて国際的な支援は不可欠だ。今回のように、支援の最前線に立っているNGO関係者を追放しているようでは、金正恩氏がスローガンとして掲げる「人民生活の向上」は、遠のくばかりである。