北朝鮮の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)氏が、金正恩氏に次ぐ事実上のナンバー2になったことが判明した。

中央報告大会で報告者として登壇する黄炳瑞氏/2015年4月9日付労働新聞より
中央報告大会で報告者として登壇する黄炳瑞氏/2015年4月9日付労働新聞より

北朝鮮の朝鮮中央テレビは8日、金正日国防委員長推戴22周年中央報告大会を伝える報道のなかで、報告者として登壇した黄炳瑞氏を「労働党中央委員会政治局常務委員会の委員であり、朝鮮人民軍総政治局長、朝鮮人民軍次帥」と紹介した。

黄炳瑞氏の肩書きは、「朝鮮人民軍総政治局長」「国防委員会副委員長」「労働党政治局常任委員」となり、金正恩氏に次いで、主要機関の権力を掌握することになった。

さらに、これまでナンバー2と見られていた崔龍海(チェ・リョンヘ)氏を追い越したことになる。2013年に張成沢が処刑以後、ナンバー2と見られていた崔龍海氏だが、2月以後は、黄炳瑞氏の次に名前を呼ばれ「政治局常務委員」からも外されるなど「降格では?」との見方がされてきた。

黄炳瑞氏は、張成沢の処刑を主導した「三池淵組」のメンバーの一人であり、この間の金正恩氏の現地視察に頻繁に同行していることから、金正恩体制を支えるキーパーソンと見られていた。

北朝鮮メディアの報道からは、黄炳瑞氏がナンバー2の地位を確固としたことがわかる。

しかし、金正恩氏は短期間で人事を頻繁に代える傾向にある。この裏には「固定したナンバー2という存在をつくらないため」という分析もある。

故金正日氏が、正恩氏のために抜擢した李英鎬(リ・ヨンホ)氏も、黄炳瑞氏と同じく「政治局常務委員」を務めた。李英鎬氏は「党中央軍事委員会副委員長」「朝鮮人民軍参謀長」も務め、権勢を振るったが、金正日氏が死んでから1年もたたないうちに粛清され表舞台から一切姿を消した。

こうした北朝鮮独特の政治力学からすると、黄炳瑞氏がナンバー2でありつづける保証はどこにもないと言える。