チェコ共和国のミロシュ・ゼマン大統領は、来月モスクワで開かれる第2次世界大戦戦勝記念行事で金正恩氏と出会ったとしても、「握手は交わさないつもりだ」と明言したという。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が6日、チェコのCTK通信を引用して報道した。

プラハにあるチェコの大統領宮 ©ActiveSteve
プラハにあるチェコの大統領宮 ©ActiveSteve

それによると、米国など西側各国の首脳はロシアのクリミア侵攻に抗議して戦勝行事には参加しない方針だが、ゼマン大統領はいち早く出席する意向を示した。

これに対し、マルティン・ストロプニツキ国防相が「大統領の参加は好ましくない」と公の場で批判するなど政治問題化。

その釈明のために出演したラジオ番組で、ゼマン大統領は「金正恩氏とは握手を交わさないつもりだ」と語った。しかし同大統領は、その詳しい理由については言及を避けている。

チェコは金正恩氏の叔父にあたる金平日(キム・ピョンイル)氏が大使を務める国で、1月末の信任式で、ゼマン大統領は同大使と顔合わせをしている。この際、チェコの大統領室は「ゼマン大統領は特に演説などはせず、通常の信任式だった」と強調するなど、北朝鮮と親密な関係を持っているとの印象を持たれたくない様子をうかがわせた。

チェコは1948年の共産主義政権樹立から1989年の「ビロード革命」まで、51年間にわたり共産主義政権下にあった。1968年の「プラハの春」をソ連をはじめとするワルシャワ条約機構軍に弾圧されたことから、反露、反共産主義感情の非常に強い国だ。

2010年には、旧ソ連国旗に描かれていた槌と鎌はナチスドイツのハーケンクロイツと同様だとして、EU圏内での使用禁止を求める提案をリトアニア、ラトビア、ブルガリア、ハンガリーと共同で行った。

そのチェコで、世界でも残り少なくなった共産主義国の指導者である金正恩氏と親密な関係を示すことは、マイナス以外の何物でもないのだろう。

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