北朝鮮政府が自国の労働者を海外に派遣し賃金を搾取している件について、国連の国際労働機関(ILO)が検討を行っていると米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報道した。

ILO、国連人権理事会も把握

VOAによると、ジュネーブ駐在韓国代表部のチェ・ソギョン大使は3月31日、記者との懇談で、海外に派遣された北朝鮮労働者の賃金が北朝鮮政府により搾取されている実態は国連の人権理事会や北朝鮮人権特別報道官も把握しており、ILOもこの問題を取り上げることを検討中だと語った。

北朝鮮の海外派遣労働者の人権問題が取り上げられたのは、3月16日の国連の人権理事会でのことだ。

韓国のYTNによると、北朝鮮人権団体のNKウォッチは同会議で、北朝鮮が外貨獲得のために自国の労働者約2000人をロシアに派遣しており、ほぼ奴隷のような暮らしを強要していると指摘した。

また、ジュネーブに本部を置くNGOのUNウォッチも、北朝鮮の海外派遣労働者は休みをほとんど与えれないまま酷使され「現代版奴隷制度」の被害に遭っているとして、北朝鮮を厳しく批判したという。

16時間労働で休日なし、月給わずか130~150ドル

会議では、実際にロシアに派遣されていたことのある脱北者男性、金氏(仮名)も証言を行った。

「本国では苦難の行軍(90年代後半の食糧危機)で餓死者が続出した。生きるためにロシア派遣労働者に志願しました。休日も与えられず午前8時から午前0時まで木を切る仕事を続けたが、1ヶ月にもらえるのはわずか130〜150ドルだけ」

「他国から来た人は1日8時間働いて1ヶ月に5000〜6000ドルを受け取っているのだから、本来なら我々はその倍は受け取れるはずだった。誰がスパイかわからないので不満はあっても口には出せない。バレたら強制帰国させられる。おとなしく仕事をするしかなかった」

NKウォッチのアン・ミョンチョル代表は、北朝鮮当局による搾取の仕組みについて次ぎように語っている。

「他の国の労働者は1ヶ月に5000〜6000ドルをもらっているが、北朝鮮の労働者は4000か〜5000ドルと低く設定されています。そこから『忠誠の資金』として半分をピンはねされる。さらに現地の管理者に20%、生活費などで15%ほど天引きされる。結局、給料の95%がピンはねされているのです」

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