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最近、北朝鮮の幹部が行方不明になる事件が続発していると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報道した。行方不明者は、脱北者と見られる一方、「拉致された可能性もある」とRFAの消息筋は見ている。

対北朝鮮貿易を行う会社が立ち並ぶ中国の丹東税関周辺
対北朝鮮貿易を行う会社が立ち並ぶ中国の丹東税関周辺

相次ぐ粛清 命の危険を感じて脱北する幹部

金正恩体制になって以後、北朝鮮当局による幹部に対する粛清が相次いでいる。代表的なケースは2013年12月に、無慈悲に処刑された張成沢氏だが、それ以外にも多くの幹部が「革命化処分(強制収容所送り)」などの処罰を受けたり、処刑されたりするケースが相次いでいる。

そうしたなか、「自分にも火の粉が降り注ぐのでは」と不安になって、北朝鮮に家族を残したまま中国に脱北する幹部も少なからずいる。

新義州(シニジュ)と中国の丹東で活動している北朝鮮の外貨稼ぎ関係者は語る。

「今年の2月、労働党中央のある幹部が、中国の瀋陽で行方不明になる事件が発生した。国家安全保衛部(秘密警察)は、行方不明になった幹部を逮捕するために数十名の要員を瀋陽に派遣して中国公安当局の協力も得て捜査を行ったが結局見つからなかった」

大物も脱北か

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延吉市の朝鮮族ビジネスマンによると、3月27日には吉林省延辺朝鮮族自治州で外貨稼ぎの件で出張に来ていた中央党の幹部が姿をくらます事件が発生したという。

「(延辺朝鮮族自治州の州都の)延吉で姿をくらました北朝鮮の幹部が誰なのかわからないし、誰も話そうとしないが、内々の席で“大物幹部だ”とこっそり教えてくれた」(朝鮮族のビジネスマン)

北朝鮮国内の別のRFAの情報筋は「最近、国家安全保衛部が中国に派遣された幹部たちに『できる限り外を出歩かず派遣労働者の監視も徹底して行え』との指示を下した」と語った。

本国の契約不履行で中国業者に拉致された人も

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北朝鮮当局は、4月15日の太陽節(金日成氏の誕生記念日)をまえに、なるべく問題化するのを抑えようとしているが、多発する行方不明事件に北朝鮮内部では同様が拡がっている情報筋は語った。

「金正恩体制になってから、中国で行方不明になった幹部は数十人に達する。中には、状況からして単純な脱北とは思えないものもある」

「保衛部は、行方不明の幹部のなかには、中国の大手貿易業者とのビジネス上のトラブルで暴力団に拉致されたと見ている。本国との契約などがうまくいかず、貿易関係者がひどい目にあうことが頻繁にある」(内部情報筋)