●そのうえで、南アフリカのアパルトヘイトを持ち出していますが、何らかの意図を感じます。
安田: 曽野さんは南アにいたと言っていますが、アパルトヘイトの本質を理解していません。アパルトヘイトという人種隔離政策は、単に居住区だけを別にするわけではなく、ホテル、公園、図書館の出入りまで制限するのです。
加えて異人種間の結婚、つまり「雑婚」の禁止。人間が生きていく、恋愛、性まで規制されていました。「人格」そのものを否定されていたわけです。
●それって、先ほどの日中合作の実習生の就業規則と同じじゃないですか?
安田:まさに、その通りです。曽野さんは、居住区のことしか取り上げていませんが、今の外国人実習生は、既にアパルトヘイトと似たような境遇に置かれています。その中国が日本と合作で若い労働者を都合良く雇用して、働かせる規則を作っています。