北朝鮮は30日付の朝鮮中央通信で、平壌に駐在する新しい中国大使・李進軍氏の着任を伝えた。しかしその報道は、以下の一文がすべてだ。
【平壌3月30日発朝鮮中央通信】共和国最高人民会議常任委員会の金永南委員長に李進軍駐朝中国大使が30日、平壌の万寿台議事堂で信任状を提出した。―――
最大の友好国とは思えない素っ気なさで、中朝関係の冷え込みを物語っている。近頃関係を深めているロシアの大使人事の際、金永南(キム・ヨンナム)常任委員長や姜錫柱(カン・ソクチュ)朝鮮労働党書記(国際担当)、李洙墉(リ・スヨン)外相らとの会談の様子が報じられるのとは大違いだ。
一方、中国の駐北朝鮮大使となった李進軍氏は1956年の生まれ。ドイツ語を専攻し、冷戦末期の1987年から1991年にかけて、駐西ドイツ大使館に勤務。歴史的な東西ドイツの統一を体験している。
大使着任前の肩書は、党間外交を担当する共産党対外連絡部の副部長。5人いる中国の対外連絡部副部長は、日本における外務審議官から外務次官クラスに相当するポジションであり、中国は伝統的にこのクラスを駐北朝鮮大使に当ててきた。