北朝鮮が、「マツタケ不正輸入事件」に関連して、総連トップの自宅が家宅捜索されたことに対して強く反発している。
26日、京都府警などの合同捜査本部は東京都台東区内の貿易会社「東方」の社長と社員の計2名を逮捕。さらに、関係先として在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の許宗萬(ホ・ジョンマン)議長、南昇祐(ナム・スンウ)副議長の自宅などを家宅捜索したが、北朝鮮の国営メディアが、これに関して猛反発する記事を掲載した。
朝鮮労働党の機関紙・労働新聞は28日、「わが共和国に対する厳重な政治的挑発、前代未聞の暴挙」と題した特集を組み、今回の家宅捜索に対して強く抗議している。
このなかで、北朝鮮産マツタケを不正輸入した疑いが持たれている「東方株式会社」について「総連とは何ら関係がなく、総連中央はその個人会社の存在すら知らなかった」として、総連トップの関与を強く否定している。
許氏も捜索当日、自宅前で「『東方』とは何の関係もない」と記者陣に答えている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「マツタケ不正輸入事件」をめぐっては、京都府警などが2014年5月12日に行った朝鮮総連の傘下企業などに対する捜索について、労働新聞が、日本のマスコミに先駆けて単独報道していた。
許氏は「朝日(ちょうにち)関係が微妙なときに、こうした暴挙を行って関係が悪化したとしても責任は全面的に日本政府にある」と述べたが、労働新聞も「総連に対する迫害と弾圧は朝日関係を後戻りできない最悪の事態へと追い込む自滅行為」だと強調した。
こうした北朝鮮の反発の裏には、今回の捜査を今後の日朝交渉に絡め、日本側に譲歩を迫るテコにしたい意図も見られる。