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北朝鮮の結婚式シーズンは11月と3月だ。この時期になると、町や村のあちこちで祝福を受ける新婚夫婦の姿が見られる。しかし、市場経済が拡大し貧富の差が二極化するなか、結婚式にも経済格差が表れていると26日、平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

平壌で結婚式をむかえたカップル/Wengy Simmons
平壌の結婚式/©Wendy Simmons

「貧しい庶民は、市場で買った安いチマ・チョゴリ(民族衣装)で記念撮影をするが、幹部やトンジュ(金主)の子供たちは、150ドル以上もするチョゴリや洋服を着て、レンタルのベンツに乗って『記念動画』を撮影する」(平安北道の内部情報筋)

トンジュとは、市場経済のなかで生まれてきた「新興富裕層」のことだ。情報筋によると、個別の家で結婚パーティーをする時も、一般の庶民たちはローソクで照らした部屋で客をもてなす。しかし、トンジュたちは変電所にワイロを渡して電気を融通してもらう。そして、明るく照らされた家でカラオケを歌って楽しむというのだ。

「一般住民の結婚式は、客に餅や温飯(クッパみたいな食べ物)をお腹一杯食べられるように準備するので精一杯だが、トンジュたちは海外から結婚式セットをドルで購入。ワインまで振る舞いながら客を招く」(内部情報筋)

さらに、トンジュは結婚式の余興に「俳優」、つまり芸能人をゲストとして招く。かつては歌手やピアノ演奏家だったが、最近では「コメディ俳優」のゲストが流行。出演料の相場は100ドルぐらいだったが、今ではそれ以上になりつつある。

結婚式にコメディアンを呼ぶのが流行

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「2007年に、新義州のあるトンジュの誕生日に、北朝鮮で最も有名な喜劇俳優のリ・チュヌンがゲストとして呼ばれて芸を披露した。この様子が録画されたVCD(DVDのCD版)が、コピーされて拡がりコメディアンを呼ぶのが流行りだした」(内部情報筋)

コメディアン人気で、リ・チュヌンの漫才芸を真似る「モノマネ芸人」まで登場。金主の次に経済的に余裕がある中産階級が、この「モノマネ芸人」を結婚式や誕生日に招く。彼は、ギターの弾き語りで漫才をすることから「第二のリ・チュヌン」と言われているという。

一方、労働党中央は幹部達の「不正腐敗」の摘発しており、「外国式の結婚式をした」という理由で失脚した幹部達もいる。こうしたことから幹部達も表向きは簡素化した結婚式を開きながらも、裏ではこっそりと豪華な結婚式を開いているという。