北朝鮮の主要都市や鉄道駅などの検問を行っている保衛司令部・保衛小隊所属の保衛隊員たち。その彼らの横暴に対して、人々の不満がひどく高まっている。彼らは検問を口実に、無実の人に暴力をふるうことも多い。
民間人、老人にまで暴力をふるう保衛隊員
咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、今月初め、茂山(ムサン)駅に停車中だった茂山発平壌行きの列車に、武装した保衛隊員6人が乗り込み荷物検査を行った。そこで彼らは検査に非協力的だとして暴言を吐き、一般人や軍人らを足蹴にして暴力をふるった。
その光景を見ていた老人が「軍隊の検閲官は軍人だけを取り締まればいいのに、なぜ民間人にまで手を出すのか」と諌めたところ、保衛隊員たちに血を吐くまで殴られたとのことだ。
内部情報筋は、保衛隊員たちのこうした横暴が全国津々浦々で繰り広げられており、一般の軍人はもちろん民間人にまで手を出すので、恐怖と憎しみの対象となっていると伝えた。
平壌市に入るすべての道に警務部(憲兵隊)と保衛司令部の哨所(検問所)がある。警務部の検問が終わっても、保衛司令部が人や車を丸一日足止めさせることが頻繁で、人々の不満は高まっている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面除隊後に保衛小隊で勤務していたことがバレたりしたら、民間人に袋叩きにされたり村八分にされることもある。軍事大学に進学すると、同級生からひどい目に合わされることが頻繁にあるそうだ。
茂山駅で起こった暴力事件のことを聞きつけた人々は「あいつらが除隊したらタダではおかない。脛をへし折ってやる!」と激しく憤っていると、内部情報筋は北朝鮮の庶民たちの怒りを声を伝えた。