金日成はここでパイロットたちに、本来の派兵の目的とは異なることを語っている。金日成は、エジプト大統領が派兵を求めてきたのは「当面の軍事的な日常任務を強化することもあるようだが、それよりも我がパイロットから空軍戦術を学ぼうということにあるようだ」と語った。これは、シャーズィリーと張正桓の間で交わされた内容とは異なる。
おそらく緊張感を和らげるために言ったのだろうが、将来において戦争が起これば戦闘に加わる可能性についても言及していた。いずれにせよ、金日成はパイロットが戦闘に加わることを承知の上で派兵に踏み切ったものと考えられる。
ちなみに金日成はこの時、派兵をイスラエル側に探知されないようにパイロットたちに厳命していた。しかし、それはすぐにイスラエルによって破られることになる。