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それを見て、一部では「先軍政治が先党政治になった」などの憶測が出ていたが、そうしたキャリア往来は何ら“異変”を示すものではないのだ。

政治決断を求める

さて、その張正桓が、シャーズィリーから戦闘機パイロットの派遣を依頼された。

シャーズィリーは1922年4月1日生まれであるから、張正桓よりも1歳上である。このほぼ同い年の二人の会話から北朝鮮の空軍をエジプトに派遣する計画が始まったわけであるが、それを実現するにはいくつかの難問をクリアーしなくてはならなかった。

張正桓は、シャーズィリーに何名のパイロットが必要かと聞き返した。シャーズィリーは、「ソ連の抜けた穴をすべて埋めてもらおうとは思っていません。飛行中隊を一つ送ってくれれば十分です。もし将来にもう一隊送ってもらう必要が出てくれば、そうなってから検討すればいいでしょう」と答えた。