パク市長は釈明に追われ、公の場でインタビューでの発言を撤回させられてしまう。さらにプロテスタント保守団体である韓国長老教総連合会メンバーとの懇談会では「同性婚を支持しない」とまで明言した。
すると今度は、性的マイノリティの当事者たちや左派、リベラル派の怒りが爆発。ソウル市庁舎で連日連夜の座り込み抗議を行う事態に発展した。パク市長は改めて、「同性婚を支持しない」との発言を撤回し謝罪。しかし一連の騒動によるダメージは大きく、「次の大統領になってほしい人・1位」の座を野党・新政治民主連合の文在寅(ムン・ジェイン)代表に明け渡す結果となった。
また、今年6月13日に開催される「ソウル・クィア・パレード」(コリア・クィア・カルチュラル・フェスティバル)は当初、ソウル市庁前広場を会場として予定していたが、現在に至るも使用できるかどうかわからない状況だ。ソウル市の担当者が言い訳を重ね、開催許可を出そうとしないのである。
どうやら、昨年のソウルと大邱(テグ)でのパレードで参加者と宗教保守勢力ら合わせて数百人が対峙し、収拾のために戦闘警察(機動隊)が乗り出す事態となったことが背景にあると思われる。