北朝鮮では最近、市場で売られている韓国製品(メイド・イン・コリア)に対する取り締まりが強化されている。元々禁制品だが、人気が高いため一部ではタグが取られて公然と販売されていたが、基本的に発覚すれば保安署に没収されてしまう。

こうして没収した韓国製品は、保安署の倉庫に一時保管後、焼却処分するか上部に送るようになっているが、その裏で保安員が「横領」している実態があるとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

平壌の内部情報筋は、昨年、訪中して韓国製の化粧品、電化製品、インスタント・コーヒーなどを市場の卸売業者に売り渡したが、運悪く保安署にバレてすべて押収されてしまった。

ところが、取り調べを受けるために保安署に行ったところ、保安員たちが、没収した韓国製コーヒーを平然と飲んでいたというのだ。

「幹部の家は韓国製品だらけのはず」

昨年までは、市場、百貨店で韓国製を含む外国製品が普通に売られていたが、ここに来て取り締まりが強化されている。その理由について商人や庶民たちは次のように囁いているという。

「保安員の連中が手に入れたいから取り締まりを強化しているに違いない」

北朝鮮の市場では、中国製品が市場を席巻しているが、相対的に質が高いと言われる韓国製品の人気は高い。

「1度、韓国製のシャンプーを使ったら他のものは使えなくなる。幹部の家は、間違いなく韓国製品だらけのはずだ」(内部情報筋)

金正恩氏は北朝鮮製品を強要するが……

韓国製品に対する取締強化のはっきりとした理由はいまだに不明だが、街では様々な噂が飛び交っている。

「北朝鮮当局が、質もデザインも優れている韓国製品を使うことで、韓国に憧れを持つ人が増えることを恐れている」や「資本主義思想の芽が出ることを当局は恐れている」等々。

事実、金正恩氏は2015年の新年の辞で「輸入病」、すなわち「外国製品」に頼る傾向を批判。幹部にも外国産タバコから国産タバコへ切り替えさせるなど、北朝鮮製品を使うことを強要している。各地の党の講演会などでも国産品の奨励が伝えられている。

「韓国製品締め出し強化」の背景には、こうした方針があるようだが「高かろう悪かろう」の北朝鮮産品は市場であまり人気がない。

また、商人達も「時間が経てば取り締まりもうやむやになる」と見ており、韓国製品をこっそりと保管しながら、市場の雰囲気を注意深く見守っている。

平壌の市場
平壌の市場(参考写真)