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北朝鮮で携帯電話事業を展開するエジプトの通信会社オラスコムが3月11日、ウェブサイト上で同事業に関連する財務資料を公表。それによると、北朝鮮における直近の現金収入が、1カ月当たり1300万米ドル(約15億7000万円)前後に上ることがわかった。

オラスコムは、北朝鮮の携帯電話事業を独占するコリョリンクの親会社。財務資料によると、コリョリンクの現金残高(米ドル換算)は昨年6月末の4億8500万ドルから9月末には5億900万ドル、12月末には5億4800万ドルに増えている。

単純に計算すれば、7?9月には1カ月平均で800万ドル、10?12月には同1300万ドルの現金収入があったことになる。これらは最終的な利益を示す数字ではないものの、業績がうなぎ登りであることは確かだ。

しかし、だからといってオラスコムが現状に満足しているわけではない。むしろその逆だ。

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同社のナギブ・サウリス会長は以前、ロイターの取材にこのような趣旨の回答をしている。というのも、せっかく北朝鮮で売上を稼いでも、当局が外貨の持ち出しを規制しているために貯め込んだ現金を本国に送金することができないためだ。その一方、オラスコムは昨年、4000万ドルの税金を北朝鮮当局に納めたという。

また、上記の現金残高は1米ドル当たり100ウォン台の北朝鮮政府の公式レートで算出したもの。このレートによる送金が認められず、1ドル当たり8000ウォン台の闇(実勢)レートに合わせることとなれば、オラスコムの利益は凄まじく減額する。

オラスコムはこの問題に関する北朝鮮当局の話し合いの展望について「肯定的な兆候が見える」としているが、予断を許さない状況だ。

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ボイス・オブ・アメリカ(VOA)韓国版は13日、こうした現状に言及しつつ、「オラスコムが収益の一部でも確保した後、北朝鮮内の携帯電話事業をたたむのではないかとの分析が出ている。一部の専門家は、中国やロシアの携帯電話事業者がオラスコムの北朝鮮での事業を買収する可能性があると予測しているが、今のところ具体的な動きは出ていない」と報じている。

(動画は、コリョリンクの事業スタートを報じた北朝鮮メディアのニュース)