北朝鮮の会寧税関(本文とは関係ありません)
北朝鮮の会寧税関(本文とは関係ありません)

北朝鮮でエボラウイルスの検疫が強化され、税関職員の賄賂の温床になっていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

レベルが高まったのは検疫ではなく賄賂の要求額

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋は、RFAに次のように語った。

「エボラ隔離措置は解除されたが、それに代わって検疫レベルが高まっている。同時に賄賂の要求額も高まった」

税関に到着すると検疫と荷物検査が行われる。ここまでなら通常の入国プロセスだが、今では国境警備隊の哨所(チェックポイント)と国家保衛部10号哨所でも一々同じ検査が繰り返されその度に賄賂を渡さなければならないとのことだ。

目的地までの道程にも保衛司令部、道保安局、機動打撃隊、山林監督隊などのありとあらゆる哨所がゲームのモンスターのように待ち構えている。賄賂を渡さなければならないのは同じだ。

1回5000円から15万円 通行料せびられ苦しい商人たち

慈江道(チャガンド)の国境地帯に住む人は「最近、中国にいる親戚の家に行ってきたが、帰り道は国境から家に辿り着くまで7つのチェックポイントがある。賄賂を渡さなければ家のすぐ前まで来ても何日でも足止めされる」と不満を述べた。

咸鏡北道の内部情報筋は「一番賄賂の要求が露骨なのが税関、国家保衛部10号哨所、保衛司令部哨所だ。荷物の量に応じて人民元で300元(約5830円)から多い場合は1500元(約2万9000円)も払わされる」と語った。

両江道(リャンガンド)の内部情報筋は「エボラ騒ぎになる前は貿易業者や商人が哨所を通る時に渡す賄賂の額は5000元(約9万7000円)だったが、今では8000元(約15万5000円)まで急騰している」と語った。

露骨な賄賂の要求に、中朝国境を行き来する人々は、「エボラが去って今度は『ネボラ』がやって来た」とジョークを飛ばしている。

「ネボラ」とは、「エボラ」と「賄賂(ネムル)」をくっつけた造語だ。

こうした賄賂によって、中朝貿易や北朝鮮国内の流通コストがかさむことになり、少なからず悪影響が出ている。ただでさえ、カントリーリスクが高い北朝鮮だが、当局の職員が率先してリスクを高めているとは、なんともお寒い状況だ。