類い希なる「美貌」で富裕層のオトコから巻き上げる

北朝鮮経済は、いまや女性抜きには語れない。とりわけ、市場経済化が進む「チャンマダン(市場)」の主力は「おばさん(アズマイ)」達だ。

経済活動における女性の強さを反映してか、ついに「オンナ詐欺師」まで登場。このオンナ詐欺師による詐欺行為が急増していることから、北朝鮮当局が講演会などを通じて異例の警告を出していると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が25日、報道した。

平壌の内部情報筋はRFAに対して次のように語った。

「生活が苦しくなり、オンナ詐欺師がはびこっている。講演会でも人民班でも気をつけろと警告された」

講演会では「金に目が眩んだ一部の女性が社会主義一心団結を傷つけて社会への不信感と不和を煽っている」と警告している。しかし、こうした詐欺事件は、なかなか減らないとのことだ。

実際、平壌市で大同江区域に住む崔(チェ)という女性が、北朝鮮で商売をする中国人(華僑)から中国人民元数万元をだまし取る事件が発生した。

また、別の女性は自らの類い希なる美貌を最大限利用して、富裕層の男性から多額の現金を巻き上げたという。まさに資本主義社会顔負けの「オンナ詐欺師」っぷりだ。

男性は安い給料でも職場へ…「商売」できるのは女性だけ

北朝鮮経済が市場主義に移行するのは、大飢饉「苦難の行軍」がはじまる1990年代の中頃からだ。この時期には、男性による欺師事件が増えた。

ただし、男性は基本的に職場(企業所)に出勤しなければならない。しかし企業所でもらえる給料では生活はとても無理だ。そうした矛盾に立ち上がったのが家庭の主婦、いわゆるアズマイ(おばさん)達だった。

その後、女性が経済活動の主力になっていき、今では、平壌、南浦、新義州などの大きな市場で商売しているのは主に女性だ。もちろん、市場で生き残っていくためには、生き馬の目を抜く商売感覚が求められる。彼女たちは「生活闘争」の実践を通じて金銭感覚を鍛え上げた。

「オンナ詐欺師」の登場は、こうした北朝鮮の世相を反映しているといえる。

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