そもそも在外公館に勤務するのは、外務省職員ばかりではない。日本政府を代表する在外公館には各省庁からの出向者が勤務しており、この中には警察庁、公安調査庁のインテリジェンス(諜報)のプロも含まれ、防衛省は駐在武官を派遣している。
「海外での情報交換は、お互いの所属機関や肩書を見て、信用出来る相手か、情報提供する価値があるかどうかを判断する。そのため、相手国の情報機関とは警察や公安調査庁の出向者が、軍関係者とは駐在武官が情報交換を行うのです。そもそも彼らはインテリジェンスのプロなので、専門的な訓練を受けていない外務省職員では太刀打ちできませんから」(同)
「秘密ルート」の存在
とはいえ、情報機関が交渉相手を重要視するように、最高権力者もまた、相手の最高権力者とつながりたがるもののようだ。