中国産バイクで鴨緑江沿いを疾走する北朝鮮の男性
中国産バイクで鴨緑江沿いを疾走する北朝鮮の男性/2007年撮影:デイリーNK

交通事故多発で「交通規定違反者厳罰」を布告

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北朝鮮で、ここ最近交通事故が相次いでいる。1月だけでも大きな事故が4件も起きて金正恩氏が激怒したという噂もあるぐらいだ。

人民保安部(警察にあたる)も取締りを強化しているが、一向に減らない交通違反に業を煮やして、最近「交通規定違反者厳罰」布告を出して厳罰化に乗り出した。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は次のように伝えた。

「4日に『社会交通安全秩序の違反者を厳格に処罰することについて』という人民保安部の布告文が全国に配布された。飲酒運転、交通違反、歩行準則、自転車利用規定を守らない者に対する処罰が書かれている」

「違反者には免許剥奪、罰金、自転車没収などの罰則が具体的に書かれている」

路地裏でも取締り、2人乗りは自転車没収

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内部情報筋は、具体的な取締りについて次のように説明した。

「主要道路沿いの交通指揮哨所が増設されて、信号を違反した車両を追跡するためのバイクまで増やされた。道沿いには交通保安員、路地裏には検閲官の腕章を付けた保安員が取締りを行っている」

「布告が出てからは、自転車も専用道路を右側通行しなければならなくなった。違反者は罰金5,000ウォンを取られる。二人乗りが見つかったら自転車は没収される」

ビールは清涼飲料水扱いで飲酒運転当たり前

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中国やロシアの影響もあって、北朝鮮でビールはアルコール扱いされず清涼飲料水売り場で売られている。長距離トラックのドライバーも一杯引っ掛けながら運転することが多いが、飲酒運転による事故も多発しているとのことだ。

「北朝鮮では、『ドライバーは酒飲み』と言われるほど飲酒運転が多い。長距離運転の辛さを忘れるために、酒を飲んで運転するドライバーが多く事故も多発している」(内部情報筋)

取締りが富裕層から金を巻き上げる手段に

しかし、いかに取締りを強化しても、結局は下っ端の保安員(警察官)たちの懐を肥やすだけで何の効果もないようだ。

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「毎年のように布告が出て取締りが強化されるが、いつもうやむやに終わってしまう」

「どうせ、自動車で移動する幹部や金主(新興富裕層)の懐から小銭を巻き上げようという魂胆だだろう。みんなが不満を述べている」(内部情報筋)

北朝鮮のトラック(本文とは関係ありません) ©Roman Harak
北朝鮮のトラック(本文とは関係ありません) ©Roman Harak