恵山市内の様子(本文とは関係ありません)
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麻薬が蔓延する中朝国境エリア

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北朝鮮当局が最近、中朝国境沿いの両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)市に「麻薬検閲隊」を派遣したという。他の地域と比べ麻薬関連犯罪がとくに多いわけでもない恵山にどうして派遣されたのか、その理由に関心が集まっている。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、北朝鮮当局は中国からの麻薬の密輸を遮断するため、中朝国境沿いの恵山に中央党麻薬検閲隊を派遣したという。

内部情報筋はRFAの取材に「中央から急にやって来た麻薬検閲隊のせいで街の雰囲気が殺伐としている。今回の対象は麻薬密輸犯と麻薬提供勢力だ」と語っている。

北朝鮮当局はこれまでも中朝国境における麻薬の密輸、一般商品の密輸、脱北、外部からの情報流入などに神経を尖らせてきたが、今回のように麻薬に特化した取締は「今回が初めて」だと内部情報筋は説明した。

「麻薬は、誰もが一度は経験したと言えるほど蔓延している。貧しい人は貧しさを忘れるために、金持ちは快楽のために麻薬を楽しむ」(内部情報筋)

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両江道の別の内部情報筋は次のように語った。

「麻薬検閲隊は2月の初めに恵山にやってきた。使用、密輸など麻薬犯罪の前歴者を中心に全面的な再調査に入った」

人員不足で各地での「同時取締」ができず

しかし、恵山の麻薬犯罪は他の地域に比べてさほど深刻ではない。中国で逮捕されて死刑判決を受け、吉林省の長春市監獄に勾留されている北朝鮮人2人は「両江道の者ではない」としながら、内部情報筋は次のように話している。

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「詳しくはわからないが、咸鏡北道(ハムギョンブクト)、慈江道(チャガンド)、平安北道(ピョンアンブクト)の国境地域では1回の取引で数百グラムから数十キロの麻薬が売り買いされるそうだ。恵山ではそれほどでもないのに、なぜ検閲隊が最初にやってきたのかわからない。検閲のやり過ぎで人が足りないらしいので、各地に同時に派遣する形ではなく恵山を皮切りに同じメンバーが国境地域の各都市を回るのだろう」