「一般の総連会員の、中央本部に対する関心は薄いですね。マスコミではよく、『総連のシンボル消滅か』なんて書いているけど、末端の会員にとってあれほど縁の薄い施設もない。本国に親族訪問する際の手続きは市区町村に置かれた支部でやるし、もろもろのイベント会場も支部か朝鮮学校、あるいはせいぜい都道府県本部。一生に一度も中央本部に足を運ばないという人の方が圧倒的に多い。あの会館の組織行政上の機能は、もっと別の所にあるのです……」
そしてこの元幹部は、「本部ビルなんかなくなった方が、総連はマシな組織になる」とまで言っているのだ。
もっとも、拉致問題をめぐる日朝交渉で北朝鮮から総連本部問題での「善処」を突きつけられた日本政府の苦悩も理解できる。拉致被害者を「人質」に取られたも同然だからだ。
しかし、北朝鮮の金正恩第1書記は昨年、久しぶりに訪朝した総連の許宗萬議長と会おうともしなかったのだ。一般的に言われるように「北朝鮮は、本当に総連を大事に思っているのか!?」 この点については改めて検証が必要だろう。
いずれにせよ、マスコミが、総連に遠慮して突っ込んだ記事を書かないことは、しいては北朝鮮を有利にすることにもつながる。実際、総連がうまく立ち回って本部ビルの維持を確保し、北朝鮮は「ストックホルム合意」の履行を催促してきている。
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