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総連本部がどんなものなのか、突っ込んだ取材や解説はあまり見られない。昨年のストックホルム合意を通じて、宋日昊(ソン・イルホ)日朝国交正常化担当大使から「総連本部をなんとかしてくれ」と要求され、政府とマスコミが踊っただけのようにも見られる。

よく「総連本部は在日朝鮮人のシンボル」というような声も聞かれるが、この認識は大きな誤りであり総連ビル問題のみならず、日朝交渉や在日問題をミスリードしかねない。

そもそも総連本部とは?

総連本部は東京都千代田区の、法政大学と白百合学園、靖国神社、角川書店に囲まれた位置にある。総連発行のハンドブックによれば、「朝鮮総連と在日朝鮮人の団結の象徴であり、愛国愛族の心の結晶」だという。1986年9月25日に竣工した地上10階、地下2階の建物は、日本の超有名ゼネコンが建設を請け負った。

総連本部はかつて、北朝鮮の実質的な在外公館としての役目を堂々と果たしていた。総連の元幹部によれば、「総連は故金正日総書記の誕生日(2月)や故金日成主席の誕生日(4月)、北朝鮮の建国記念日(9月)に際し、政界やマスコミ関係者を本部に招いて祝賀宴(立食パーティー)を催していた」という。

たとえば、どのような面々が来ていたのか。総連機関紙には社民党元党首の土井たか子氏、元官房長官の野中広務氏、元総理の鳩山由紀夫氏をはじめ、出席者の名前数十人分が列挙されている。

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もっとも1997年以降は、テポドン発射(98年)や朝銀信組の資金流用をめぐる強制捜査(01年)、金正日氏が日本人拉致を自白(02年)したことなどが相次いだのを受けて、総連本部は日本の政治家にとって禁断の場所となった。

そして総連本部の土地建物は、朝銀信組からの借金のカタとして整理回収機構(RCC)によって競売に付される流れをたどる。

総連本部がなくなった方がいい?との声も

これに対し、「総連本部は在日朝鮮人コミュニティーの象徴であり、尊重すべき」との声が、北朝鮮や総連ばかりか、日本の一部メディアからも出ている。しかし、当の在日朝鮮人からは、かなり違ったニュアンスの話も聞こえる。前出の元幹部は言う。

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