北朝鮮による日本人拉致被害者の再調査をめぐり、日朝両政府の外交当局者が1月末に、中国・上海で非公式会談を行っていたことが明らかになった。

中国で行われた協議には、日本側から外務省の伊原アジア大洋州局長が、北朝鮮側からは宋日昊(ソン・イルホ)日朝国交正常化担当大使が出席したものとみられる。さらに、北朝鮮の秘密警察である「国家安全保衛部」の幹部も出席したとの情報もあるが、拉致被害者に関する新たな情報は示されなかったという。

日本側は、国家安全保衛部が交渉相手だったことから「信頼関係を構築できつつある」(政府筋)と一定の評価をしているという。北朝鮮側にしてみれば、継続して再調査に取り組んでいる姿勢を見せることで、交渉の糸をつないでおきたい狙いがあるようだ。

菅義偉官房長官は12日の記者会見を通じて、非公式協議の開催には言及を避けたが「引き続き北朝鮮に対し、迅速に調査を行い、速やかに正直に日本側に通報するよう強く求めていきたい」と述べた。

これに先だち、北朝鮮は日本人拉致問題や過去清算問題などに関して交わされた「ストックホルム合意」の履行を、日本側に迫る姿勢を見せていることから今後の出方に注目される。

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