昨年10月24日から始まった北朝鮮の入国制限措置。解除時期を巡り様々な情報が飛び交っているが、措置が強化されたとの情報が伝わってきた。

北朝鮮の会寧税関
北朝鮮の会寧税関

昨年10月24日から始まった北朝鮮の入国制限措置。解除時期を巡り様々な情報が飛び交っているが、措置が強化されたとの情報が伝わってきた。

北朝鮮は最近、平安北道(ピョンアンブクト)の新義州(シニジュ)などの税関に中央党の衛生防疫所検閲団を派遣したが、その目的はエボラウイルス流入を防止措置の徹底にある。

「防疫方針違反は元帥様に対する重大なる挑戦」

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は次のように伝えた。

「エボラウイルス関連の統制を強化するために各税関に15人の検閲団が派遣された」

「出入国者やエボラ関連の人員に対する統制を中央からの指示通り徹底的に行っている」

内部情報筋によると、昨年11月末にある貿易会社の担当者が税関の防疫手続きを経ずに羅先(ラソン)から中国に1泊2日で行ってきたことが、中央に報告されて今回の検閲団派遣につながった。

その貿易会社の担当者は労働党の党員資格を剥奪され、一般の労働者に戻される重い処分を受けるようだ。

「今回の検閲団は、防疫関連の方針を守らないことは元帥様(金正恩氏)に対する重大なる挑戦と見なされる、と脅かしている」

「税関の関係者は『ヘタをすると銃殺されるかもしれない』と戦々恐々としている」

「なぜ我が国だけ、今さら統制強化なのか?」

世界保健機関(WHO)はすでにエボラ出血熱の流行が落ち着きつつあるとして、方向性をウイルス拡散防止からウイルス根絶へと変更した。それにもかかわらず強化される統制に北朝鮮国内外で不満が高まりつつある。

「一部では観光客の受け入れを再開するのではないかと希望的に観測する向きもあるが、入国制限はそう簡単には解けないだろうという空気がより支配的」(前出の内部情報筋)

「大口の貿易業者たちを中心に不満が高まっている。医薬品が不足している北朝鮮に少しでもウイルスが入るととんでもないことになるとは思うが、根本的な問題解決はせずに小手先の統制ばかりだ」(同)

「中国も他の国も人々が自由に海外へ行き来しているのに、なぜ我が国だけこんなことをやっているのかわからない」(同)

人々に支持されない防疫行政は「規則破り」や「すり抜け」を誘発し、かえってウイルス流入の危険性を増大させるリスクをはらんでいる。

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