中国の図們経済開発区は対北朝鮮ビジネスに便利な立地で人気を集めている。(画像提供:図們市政府)
中国の図們経済開発区は対北朝鮮ビジネスに便利な立地で人気を集めている。(画像提供:図們市政府)

中国企業は北朝鮮に多くの投資をしている。その一番の理由は安い労働力。しかし、北朝鮮とビジネスをした経験者たちは「北朝鮮の労働力は決して安価ではなく、投資環境も劣悪」だと語る。

ランニングコストに賄賂も必要

羅先(ラソン)と清津(チョンジン)に頻繁に通っている中国投資家はRFAに対して次のように語った。

「北朝鮮で最も難しいのは労働力の確保だ。まず、自由労働者がいない。17歳から30歳の若者の多くが兵役に就き建設現場に送り込まれるからだ」

通常、北朝鮮で労働者を雇用するには担当機関に申し込むが、その際に機関の幹部から多額の賄賂を要求される。

また、賃金にランニングコストを含めると決して安いとはいえない。服の製造は月給40ドルに加えて税金、維持費、さらに定期的な賄賂まで含めると労働者1人雇用に月100ドルから120ドルかかる計算になると彼は説明した。

「中朝政府が運営する『経済特区』などには誰も期待していない。何も知らずに北朝鮮に投資して全財産を失い、自殺に追い込まれのは、一人や二人ではない」

それでも北朝鮮に投資する理由

投資環境は決していいとはいえないが、それでも北朝鮮に投資する企業家はいる。その理由について、あるビジネスマンはRFAに次のように語った。

「北朝鮮投資は、初期投資額が他の国に比べて安い。そもそも北朝鮮に投資する中国人は潤沢な資金を持っていない人が多い。仮に豊富な資金があったとしても大規模な投資はしない」

「不法だが、最近は個人に服の加工を委託するビジネスが人気だ。北朝鮮の家庭には必ず手動ミシンがある。手動だから停電になっても問題ない」

一方、北朝鮮ビジネスに投資する場合、北朝鮮国内ではなくより安全な中国で行われることが多い。

中国の吉林新聞は昨年11月6日に吉林省延辺朝鮮族自治州図們市の「図們経済特区」内に設置された「朝鮮工業園」が「対朝鮮経済貿易の前哨基地として脚光を浴びている」と報じた。

北朝鮮や北朝鮮向けの製品を製造する中国、韓国、日本企業など112社が進出し625人の北朝鮮労働者が働き、賃金は開城工業団地と同じレベルだ。

中朝国境地帯の和龍、琿春、集安などの各地方政府も経済開発区を設置し、対北朝鮮ビジネスの前哨基地として企業誘致に乗り出している。

北朝鮮の安い労働力を使える上に、北朝鮮国内に比べて安全な投資が望める。さらに、中朝国境に接していていることから製品の輸出や労働者の往来が便利だ。

北朝鮮国内の企業ではなく、延辺など中国国内にある北朝鮮関連のビジネスに対する投資は、今後も増えるかもしれない。

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