北朝鮮映画「心に残る人」の一シーン。練炭の配給を受け取る女子学生。
北朝鮮映画「心に残る人」の1シーン。練炭の配給を受け取る女子学生。

練炭需要急増で家で作って売る人急増

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最近、北朝鮮で自宅で作った「練炭」を販売する人々が増えている。「家内制手工業」で使われる「練炭」需要が急増しているからだ。

平安南道のデイリーNK内部情報筋は次のように語った。

「最近、酒、菓子、靴を作って市場で売る人が増えていて、そのための練炭が売れている」

「練炭需要にに目をつけた人々は、市場から石炭を数百キロから数トンも購入して、家で自家製練炭を製造して市場で販売している」

「練炭を製造するのだ家中はススだらけになるが、石炭はツケで買えるので元手がかからない。また結構儲かるので練炭作りを始める人が増えている」

寒く辛い練炭づくり、一酸化炭素中毒の危険性も

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しかし「練炭作りは非常に辛い作業」だという。

「練炭を作ったら、家の中のアレンモク(部屋の一番暖かいところ)に置いてオンドルの熱で乾燥させなければならない。夜遅くまでかかる作業が終わってやっと寝る時間になっても、暖かい場所に練炭をおいているから冷たい床で寝なければならない」(内部情報筋)

また、乾燥する時にには一酸化炭素が発生するので頭がボーッとしたり「吐き気」をもよおすこともあるという。それでも家族全員で辛い作業をして一晩で130個の練炭を作り、完成した練炭は割れないように1個ずつわらで結んで市場に運ばれる。

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「割れたら売れないので市場には慎重に運ぶのだが、これが非常に気疲れする。それでも全部売れたら1日分の食糧が買える」

「市場へ向かう道は夜明けから練炭を運ぶ人々で賑わう」

北朝鮮の一般家庭では1日に練炭を10個ほど使う。家のなかでモノを加工したり、製造する「家内制手工業」を営む人々は、1日に100個から数百個の練炭を消費する。そういった大口の客を確保できれば収入は安定する。

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平安南道(ピョンアンナムド)炭鉱地域では石炭1トンが20~25ドル(約2360~2950円)、練炭1個が500ウォン(約7円)で取引されている。炭鉱から離れた地域では、石炭の値段は倍に跳ね上がる。