在日本朝鮮人総連合会(総連)が、実質的に所有していた東京都文京区の朝鮮出版会館ビルを売却した件で、総連の専従職員の間で反発の声が出ているようだ。

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文京区白山に位置する同ビルの入居者はすべて、「在日本朝鮮青年同盟」「在日本朝鮮民主女性同盟」「在日本朝鮮社会科学者協会」「在日本朝鮮科学技術協会」「朝鮮新報社」などの総連傘下団体だ。

総連の行政機能の中枢とも言える施設だが、競売にかけられた千代田区富士見の中央本部ビルの維持を優先。同ビルを買った山形県酒田市の不動産会社グリーンフォーリストから賃借するにも相当な資金を要するため、「その資金をねん出するために出版会館を売ったのではないか」(日本の情報当局者)と見られている。

ところが、総連トップは出版会館ビルの売却を極秘裏に進めた模様で、同ビルに勤務する職員らがその事実を知らされたのは、売却がメディアによって報道された29日朝だったという。総連の元幹部が語る。

「若手を中心に、出版会館で働いている職員たちは不満を隠していませんね。過去に警察の捜索を受けた際は、職員が体を張って阻止しようとした。褒められたことではないにせよ、彼らなりに思い入れがある。それに財政難の総連中央本部は、引っ越し費用も各団体の負担とするかもしれない。彼らの不満が、容易に消えることはなさそうです」

出版会館ビルは老朽化が指摘されていた一方、旧朝銀信組の不良債権を引き継いだ整理回収機構(RCC)の差し押さえの対象になっておらず、総連にとっては「安全地帯」とも言える物件だった。それを手放したことが今後、組織運営にどのような影響を及ぼすかが注目される。