朴元淳ソウル市長の発言に抗議して市庁舎で座り込み抗議を行う人々(画像提供:@torirun)
朴元淳ソウル市長の発言に抗議して市庁舎で座り込み抗議を行う人々(画像提供:@torirun)

「同性愛」をめぐる激しい社会対立

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同性愛をめぐっては、最近起きた「ソウル市民人権憲章」をめぐる混乱で対立が改めて表面化した。

12月10日の世界人権の日に発表予定だった「ソウル市民人権憲章」。性的マイノリティへの差別禁止を謳う条項が入っていたが190人からなる市民委員会では圧倒的多数でこれを承認した。

ところが、これに保守キリスト教団体が猛反発。反対を押し切ると見られていた人権派弁護士でリベラルなソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長は、市民委員会の議決を「合意」ではないという理由で無効化した上で、キリスト教団体に「同性愛を支持しない」と語ったのだ。

市長の態度の豹変に、同性愛者の団体のみならず300もの市民グループも猛反発。発言の撤回を求めてソウル市庁舎で300人が座り込み連日連夜の抗議活動を行った。10日後、朴市長は「皆さんが傷つかれたことに申し訳なく思っている」と謝罪に追い込まれた。

このように韓国では社会における性的マイノリティの存在をめぐり厳しい対立が繰り返されているが、「プロテスタント=宗教右派」がその火に油を注いでいるのだ。その右派には一部の脱北者団体も加勢している。