山形県酒田市の不動産会社G社が数日中にも、在日本朝鮮人総連合会(総連)中央本部の土地・建物を、不動産関連会社「マルナカホールディングス」(高松市)から購入するものと見られている。

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これを受け、これまでマルナカHDの動向を注視してきたメディアの関心は、G社の思惑や背景に向けられるようになってきた。G社が総連と賃貸契約を結び、本部ビルの継続使用を認める意向と伝えられているためだ。

現段階では、総連と酒田市のG社の間に、何らかの直接的なつながりがあるとの情報は浮上していない。総連の元幹部が、次のように話す。

「すでに閉店したか人手に渡ったと思うが、酒田市には以前、総連直営のパチンコ店があった。だが、それも地元に総連系の同業者がおらず競合する恐れがないから、という理由で出店したのであって、もともと総連と縁の深い土地ではないはず」

総連直営のパチンコ店については、元総連財政局副局長の韓光熙(ハン・ガンヒ)氏の著書『わが朝鮮総連の罪と罰』(文藝春秋)の中にも、1987年からの出来事について次のような記述がある。

日本にはおよそ七〇万人の在日同胞が存在しているが、総連系の少ない地域といえば第一に東北地方だった。調査の結果、なかでも総連系パチンコ店が少ないのが山形県であることがわかった。(中略)
最初に眼を付けたのは、山形県新庄市の田園地帯だった。(中略)
四、五軒目からは一気呵成だった。
酒田市、鶴岡市、秋田市などに、毎月のように一店舗、二店舗と出店していった。

また、1998年には酒田市と市議会が自由貿易地帯などを視察する訪朝団の派遣を計画したことがあった。しかし、同年8月の北朝鮮による弾道ミサイル(テポドン)発射を受けて中止になっており、それ以降、同様の計画は持ち上がっていない。

一方、メディア関係者の間からは「G社の近親者の中には中国ビジネスを手掛けている人物がいる。人脈が広く、北朝鮮や総連の関係者とも交流があるかもしれない」との話も聞こえる。

いずれにせよ、総連への賃貸を前提にマルナカHDと売買交渉を進めているとすれば、事前に総連側と意思疎通があったことは確かと思われる。