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昨年12月日に中朝国境で起きた脱北兵士殺人事件に関連して、北朝鮮の警備総局長が電撃解任されたとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

咸鏡北道(ハムギョンプッド)の内部情報筋は23日、「殺人事件の余波で清津市に駐留する27旅団長と茂山大隊長だけでなく中隊長、小隊長が次々と処罰され除隊になった。警備総局長まで解任された」と明らかにした。

今回の事件は中国国内でも大きく報道され、北朝鮮に対する中国国内のイメージは悪化した。警備総局長電撃解任の裏には、中朝関係の悪化を避けたい北朝鮮当局の思惑があると見られる。

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事件を起こした兵士は、咸鏡北道清津市に駐留する27旅団所属だった。27旅団は平壌市の警備総局(第5454軍部隊)傘下であり警備総局は東西海岸と国境警備を担当する。

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警備総局は、かつては国家安全保衛部(秘密警察)傘下だった。一時期人民武力部に移ったが2008年には再び国家安全保衛部傘下に戻った。現在の警備総局長は、国家安全保衛部副部長職を兼任するとのことだ。

「中国の警察に射殺された脱北兵士の遺体は、数日後に国境を通じて引き渡された。事件の余波で国境警備隊や全部隊に集中的に調査が行われピリピリした空気が漂っている」(内部情報筋)

中朝国境では、このような事件はたびたび起きている。中国の週刊誌『南方週末』は「権威ある消息筋」の話として、2000年以降、中朝国境で越境した北朝鮮人が起こした殺害事件は数十件以上に達し、略奪などの犯罪は100件を超えると伝えている。

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北朝鮮と中国はこれまで関係もさほど悪くなかったことから、多発する凶悪事件について大きな問題としてこなかったようだ。しかし、2013年の張成沢処刑以後は、両国の関係も悪化している。

内部情報筋は「警備局長を電撃解任することによって北朝鮮が中国側にある程度の配慮を示した可能性もある」と指摘しながら最後に述べた。

「そもそも軍隊できちんと食べられたら川を越えてまで略奪行為なんかするはずがない。警備総局長や責任者の処罰は仕方がないだろう。それより射殺された兵士の家族がかわいそうだ」

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北朝鮮は先軍政治を政治スローガンに掲げているが、今回の殺人事件の背景には、慢性的な経済難と国家が掲げる無理なスローガンによる軍隊内のモラルの低下がある。

南坪の高台より、霧に包まれた茂山
事件が起きた翌日に中朝国境で撮影された北朝鮮の茂山。撮影/金正太郎