北朝鮮の協同農場での田植え(本文とは関係ありません)
北朝鮮の協同農場での田植え(本文とは関係ありません)

虚偽報告に基づいて立案された収穫量

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北朝鮮は2012年の「6・28方針」に基づいて一部地域で分組管理制を試験導入した。それから2年経ったが農場への分配が適切に行われていないことがわかった。実際の年間収穫量ではなく計画量に応じて分配の比率を決めているからだ。

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は次のように語る。

「圃田担当制、分組管理制は以前の協同農場より儲かると言われて分組員は熱心に働いたのに、分配がきちんと行われていない」

「ジャガイモは1反あたり18〜21トンが計画量だが、昨年の収穫は15トンだったので約2割が未達成」

「普天(ポチョン)郡のほとんどの農場では計画量通りに国に収めることになっているので自分たちの取り分が確保できない」

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内部情報筋によると各行政単位の幹部は農業省から下された年間計画量を達成できないと責任を追求されかねないので収穫高の多い田んぼの数字だけ報告する。虚偽の報告が中央に集められてそれに基づいて現実離れした計画が立てられる。農場員は幹部の忠誠レースの犠牲になっているのだ。

仕事は倍、分配は減少で踏んだり蹴ったりの農民

北朝鮮は「我々式の新たな経済管理システムの確立について」と題された方針、いわゆる6・28方針を公表した。これによると協同農場の作業班を従来の10〜25人から4〜6人に縮小し、収穫量の7割を国に収めて残りの3割を農場員の取り分とするものだ。

分組員に一定の自由を与えて収穫量に応じて取り分に差をつけるシステムになっている。農民の生活向上にも貢献すると予想されたが、そうは問屋が卸さぬと内部情報筋は説明する。

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「普天郡ファジョン農場で3人家族で1年に分配されるのはジャガイモ500キロ、トウモロコシ80キロ、大麦、小麦、大麦180キロ。これでは1.2人分にしかならない」

「昨年の春の少雨に加えて種子や肥料が適時に配給されなかったために収穫量が落ちた」

「収穫量の3割が取り分になると聞いて農民たちは喜んだが、基準になるのは現実離れした計画量なのでまともに分配が受けられない地域も出てくるだろう」

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「分組は家族単位で編成されているので動きやすくなったのはいいが、仕事は倍に増えても分配は減らされるかもしれない。ひどすぎる」

【参考記事】労働新聞 「分組管理制」で農業生産に革新を起こせ