南坪の高台より、霧に包まれた茂山
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北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)茂山(ムサン)郡に位置する「茂山鉱山」の停止が長期化し大々的なリストラまで行われているという。

茂山鉱山は、北東アジアで最大規模の埋蔵量を持ち総埋蔵量70億トン、可採埋蔵量は13億トンとも22億トンともいわれる。約2万3000人の労働者を抱え、2000年のピーク時には990万トンの原鉱石を採掘し、精鉱320万トンを生産したと推定される。

「朝鮮の宝」とまでいわれた北朝鮮の資源ビジネスの中核「茂山鉱山」で何が起きているのか。

茂山鉱山の稼働が完全に中断

デイリーNKの内部情報筋は19日、「二ヶ月前から茂山鉱山の稼働が完全に中断した。昨年末からは労働者をリストラする話もあったが、今年に入ってから本格的な人員削減がはじまった」と伝えた。

情報筋によると今回の稼働中断により労働者の40%以上、約1万人が削減される予定とのことだ。労働者を抱えつづけたままだと配給も給料も与えつづけなければならないため、早めに「リストラ」を完成させる方針だという。リストラ対象者は勤務姿勢に問題がある労働者だという。

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茂山鉱山の労働者の給料は2013年は30万ウォンまで上がったが、最近では天引きや電力不足での稼働中止により3万ウォンしかもらえなかった。

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電力不足と中国の値下げ要求が原因

稼働が中止された最大の要因は、干ばつによる電力不足と中国側の一方的な値下げ要求だ。

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「中国側は鉄鉱石の価格を1トン当たり50ドルに下げてほしいと要求した。ところが北朝鮮がこれを拒否したため、輸出が中断されてしまった。結局、鉄鉱石による外貨収入だけでなく中国側が負担していた従業員の食料や生産用ディーゼル・オイルの供給まで中断されてしまった」

鉱山関係者はリストラ候補者選びに苦心しているというが、労働者側はとりあえず様子を見ながらも動揺しているとのことだ。

茂山鉱山は、2009年から2010年にかけて一時的に稼働が全面停止したことがある。デイリーNKは昨年11月に稼働が完全停止したことを報道している。

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