ザ・インタビューの看板(本文とは関係ありません)
ザ・インタビューの看板(本文とは関係ありません)

北朝鮮の金正恩氏暗殺をテーマにしたアメリカのパロディ映画「ザ・インタビュー」。「不順反動映画」「極悪な超大型挑発行為」などと北朝鮮から激しく非難され、ソニー・ピクチャーズへのサイバー攻撃が発生するなど世界的に話題を集めた。

デイリーNKでは北朝鮮当局がこの映画の国内流入阻止に躍起になっていることを報道しているが、むしろそれが北朝鮮の人々の映画への好奇心を煽る皮肉な結果となっている。

【参考記事】北朝鮮が「ザ・インタビュー」国内流入を超警戒

タイトルも伏せて逆効果「反動映画」に関心が集まる

平安北道の国境地帯の内部情報筋は、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して次のように語った。

「保衛部が内部監視網を総動員して反動映画を見せないように力を注いでいる」

「アメリカの映画と言わずに『外部敵対勢力が共和国の最高尊厳を冒涜する反動映画を作った、映画を見た者は厳罰に処す』と言われた」

ところが、取り締まりがむしろ映画に対する興味をそそる皮肉な結果を生んでいる。

「自分は見ていないので一体どんな映画なのかわからない。タイトルを教えてくれないからむしろ人々の間では好奇心が高まっている」

両江道の内部情報筋がデイリーNKに伝えた話も、映画「ザ・インタビュー」に関心が高まりつつあることを裏付ける。

「密輸業者も『ザ・インタビュー』という映画については何も知らずにいたが、むしろ取締りで好奇心を持つようになり、(金正恩氏)暗殺を題材にした映画であることを知った」

商人たちは厳罰を恐れて「ザ・インタビュー」のソフトの販売を控えているようだが、スマートフォンにインストールしたカカオトークを利用してダウンロードするなど様々な方法で見ているようだ。

脱北者「こんなクソ映画は初めて」「我々への冒涜」

「ザ・インタビュー」への興味は高まりつつあるが、だからといって必ずしも北朝鮮の庶民が映画を見て溜飲を下げるわけではないようだ。

イギリス在住の脱北者キム・ジュイルさんはイギリスの雑誌「Dazed」に映画を見た感想を次のように語っている。

「今まで様々なアメリカ映画を見てきたが、こんなクソ映画は初めてだ」

「脱北者である自分でさえ、この映画は自分自身に対する冒涜だと感じた」

「映画の中で北朝鮮の人々は従順なロボットのように描かれるが、政府が酷いと気づかないほど我々は馬鹿だと言うのか」

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