朝鮮の小豆粥
朝鮮の小豆粥

北朝鮮にも冬至の風習

12月22日は「冬至」。1年で最も昼が短く、夜が長い。そんな冬至に北朝鮮の人々はどう過ごしているのだろうか。

昔から冬至に小豆粥を食べれば厄除けになり一年を健康に過ごすことができるという言い伝えがある。小豆を煮込んだものにもち米で作ったダンゴを入れた粥だ。朝鮮半島では一般的な習慣だが、元々中国から伝わったもので、日本にも小豆で作った冬至粥を食べる習慣がある。

朝鮮半島では今年の冬至は「???(エドンジ=子どもの冬至)」と呼ばれる年に当たる。旧暦の11月10日以前に冬至の日がやって来た場合をこう呼ぶが、子どもにはよくないとされる。それで厄除けのために小豆粥の代わりにソンピョンという餅を食べる。

北朝鮮の庶民たちは厄祓いの思いを込めて、懐は寂しくても奮発してダンゴ入りの小豆粥を食べる。

釜いっぱいに炊いた小豆粥を食べつつ1年で最も長い夜を過ごす。お粥を炊く暇がなければ、あちこちにできたお粥屋で買ってもいい。時間があれば家族みんなでダンゴを作りながら団欒のひとときを過ごす。

この日ばかりは金持ちになった気分であたたかい気持ちに包まれる。

冬至の前の日には家々から威勢よく餅をつく音が聞こえてくる。精米所にもち米を持って行くと粉にしてくれるが、いつ電気が来るかわからないため家でやった方が手っ取り早い。韓国の60?70年代の風景を彷彿とさせる。

タラのスープを食べて「運気上昇」

南北分断から70年経ち、北朝鮮独自の冬至の風習ができた。最近韓国にやってきた脱北者によると、小豆粥は相変わらずだが、ソンピョンに代わってタラのスープを食べる習慣ができたようだ。

韓国ではありふれた食材だが、北朝鮮では中々手に入らない貴重品だ。冷蔵庫普及率の低い北朝鮮では真冬にしかお目にかかれない。

市場ではタラ1匹が7000?8000ウォン。3000ウォンから5000ウォンのホッケ、ニシン、カレイに比べるとかなりの高級魚だ。

タラは捕まえるのが難しいが、残すところなく食べられる魚なので高級魚扱いされているのだ。また、タラの目を食べると目が良くなると言われている。高い魚だけあって食べると運気が上がるとも言われている。

ある脱北者は帰りたくても帰れない故郷(北朝鮮)を思い出しながら語る。

「冬至には、家族水入らずで小豆粥を食べて過ごしたもんだ。遥か北のふるさとが本当に懐かしい」