家庭教師のバイトは禁止

北朝鮮でも、子供の教育にお金を惜しまない親はいる。そこに目をつけて、家庭教師をする一流大学の学生が増えているとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。なかには、「地方出張」までして家庭教師をする学生もでてきた。

「有能で教え方のうまい学生は地方の有名大学にもいるが、あえて平壌の大学生を呼び寄せる家庭もある」(咸鏡北道の内部情報筋)

家庭教師は、北朝鮮の大学生の定番バイトだ。最近では、平壌の大学生を家庭教師として雇いたがる幹部や新興富裕層が増え、学期中でも地方出張する学生が増えているという。

「学期中に大学生が地方に行くことは本来はできない。しかし、指導教授に賄賂を渡し、『軍事教練期間中に地方に食料の買い出しに行く』とウソをついて大学を抜け出し家庭教師のバイトに励む」

家庭教師の面接時には、成績証明書を見せなければならないが、指導教授は偽造した成績表に学校のハンコを押して学生に売りつける。それだけでなく、教授がバイトを斡旋するケースすらある。

目的は「コネ作り」

学生は地方で1~2ヶ月間、家庭教師のバイトに励み約1000ドルの報酬を受け取る。そのお金は、最新の機器や流行の服を買うのに費やす。

お金も大切だが、バイトの目的は他にもあった。それは、バイトを通じて中央や地方の労働党に人脈、すなわち「コネ」を作ることだ。

「幹部の子どもを教えて、コネができれば卒業後の仕事の配置で優遇されるかもしれない」(内部情報筋)

また、北朝鮮は最近、産業部門におけるCNC(コンピュータ数値制御技術)を集中的に宣伝しているが、それは家庭教師が教える科目にも影響を与えている。

かつては、文系の家庭教師が人気だったが、最近では理系の家庭教師が好まれる。子どもを持つ北朝鮮の親たちも、国際社会がIT化している現実に強く影響されているのだ。

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