キムチ漬け込み戦闘
キムチ漬け込み戦闘

12月は「自己批判」と「忘年会」

北朝鮮の12月は、忙しい。「年間総和」と「忘年会」、そして「新年の準備」で大忙しだ。

「年間総和」とは、一年間の「生活総和(生活総括)」だ。女性同盟(朝鮮民主女性同盟)、労働党、職盟(朝鮮職業総同盟)、社労青(金日成社会主義青年同盟)、少年団など全組織、全住民が参加する。

所属する組織で開かれる「生活総和」は、自己批判と相互批判を通じて学習会のようなものだが、いわば「思想チェック」といえる。北朝鮮当局が住民を統制するための、面倒な行事の一つである。

「年間総和」という面倒な行事が終われば、みんなが待ちに待った「忘年会」シーズンに突入する。(韓国語では「送年会」だが北朝鮮では「忘年会」)

27日頃から始まり年末まで続く忘年会は、各組織や大学のクラス別に開かれる。最近では学生や親しい友人同士開くことも多くなった。

一般住民と党幹部の忘年会の中身は、やはり格差がある。外貨を稼いで業績がいい会社の忘年会は経費で開かれるが、余裕がない工場や企業所は会費を集めなければならない。

25〜30人規模の忘年会だと、白米10k g、豚肉その他の肉5キロ、酒10キロ、海産物3キロ、山菜、もやし、キムチなどが準備される。飲んで食べて、お互いに一年間の労をねぎらいながら過ごす、ともて楽しい時間だ。

正月だけでも「家族のため」に

忘年会シーズンが過ぎれば、今度は「節(正月)」の準備だ。

北朝鮮の住民は、楽しく豊かな「節」を迎えれば、新しい一年間も無事に過ごせると信じている。

「節」準備をするこの時期、もっとも慌ただしいのは女性、すなわち主婦だ。

年末に向けてリサーチした「売れ筋商品」を少しでもたくさん売って儲けてやろうと商売人も大忙し。

主婦たちは、お餅や麺類などの正月料理の準備からはじまって、家族の下着や綿入り防寒着を用意する。市場では、食べ物から日用品まで買い求める主婦たちであふれんばかりの人だかりができる。

みんながみんな大忙しだが、主婦たちはどこか楽しげだ。

暮らし向きは貧しい。でも、お正月だけは家族に暖かい服を着てもらって、美味しいものを食べて、楽しく豊かに過ごしたい??そんな思いで買い物をする主婦たちの表情には、母親の暖かい愛情がにじみ出ている。

年内に「借金」を返せなければ…

年末には、みんなが年内にやり残したことをキレイさっぱり終わらせて、爽やかな新年を迎えたいと思う。他人に借りたもの(お金や現物など)を清算するためにお金をわけあう。借金を抱える住民は、年内に全て返済してさっぱりしたいが、返せない場合もある。

そうなると借り手と貸し手の間で思わぬトラブルが起こるが、お互いがスッキリして新年を迎えたいので、数日後には和解して仲直りだ。

新しい気持ちで正月を迎え、楽しく過ごしたいと願うのは、どこの国の人々も同じだろう。

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