北朝鮮の降水量が平年より非常に少なく、多くの地域で白菜、大根などの作物に大きな影響が出ている。特に平壌周辺の協同農場での被害は深刻だ。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋は凶作の状況を次のように伝える。

「平壌市を中心に平安道(ピョンアンド)や黄海道(ファンヘド)のキムチ用野菜は収穫がないに等しい」

「平壌市民のキムチ用野菜は咸鏡北道が供給しろと通達が下された」

「今年初めからの深刻な日照りと病害虫の被害で春野菜はもちろん、冬のキムチ用野菜の生産にまで影響を及ぼした」

「まだマシな方だった咸鏡北道の穏城(オンソン)郡、慶源(キョンウォン)郡など複数の地域の農場から白菜と大根を平壌に送るよう内閣の指示があった」

このような指示で元々地域の野菜農場から軍、機関、企業所に野菜を分配する計画はすべてキャンセルされた。そのせいで市場での白菜や大根の値段は数日前より500ウォンほど上がっている。

内部情報筋によると、先月末は1200〜1500ウォンほどだった白菜1キロの値段が2000ウォンまで上がった。1世帯5人家族平均で白菜は500キロ、大根は200キロを使って越冬用のキムチ漬けを行うが、ただでさえ品薄の白菜と大根を平壌に上納することになったため、その半分をつけるのがやっととのことだ。

通常、咸鏡北道では毎年11月5日頃からキムチの漬け込みを始めるがそれまでに配給すべき野菜が突然平壌に取り上げられた形となったため、漬け込みが進んでいない。また、平壌でのキムチの漬け込みは11月の中頃から始まるのに電力不足で緊急輸送列車が手配されず、野菜は放置された状態だ。

内部情報筋は

「春から夏にかけて雨がふらなかったので適時に野菜の種まきができず、アブラムシなどの病害虫の被害がひどかった」

「雨が降らずに水力発電所の発電量が減ったために揚水機が適切に稼働できなかったのが野菜の不作の根本原因」

野菜を平壌に送れという指示に対して庶民たちは次のような反応を示している。

「うちの地域の作況は他所よりマシだからと安心していたら、平壌に送れというとばっちりを食らった」

「中央から絞りに搾り取られているのに、それに飽きたらず白菜と大根まで絞りとるのか、平壌市民だけが人間か」(前述の内部情報筋)

北朝鮮が平壌への冬野菜緊急輸送指示を下したのは2007年に続いて今回が2回目だ。その時は咸鏡北道からキムチ漬け込み用の白菜、大根を平壌市民に供給するために列車に積み込んだが、電力不足で列車が遅れて数千トンの野菜が腐ってしまった。

ちなみに北朝鮮では8月初めにキムチの漬け込み用の白菜を植えて10月末か11月初めに収穫する。この時期の降水量は野菜の生育状況に影響を与える。韓国気象庁発表の資料によると、北朝鮮の8月の降水量は89.6?と平年の199.2?より少なかった。特に平安南道(ピョンアンナムド)と黄海南道(ファンヘナムド)の降水量は平年に比べて30%にも満たない。9月10月の降水量も北朝鮮のほぼ全域で平年の40〜50%未満を記録した。