世界最高レベルの技術で保存された金日成氏の遺体

北朝鮮の金日成主席は、平壌の万景台(マンギョンデ)で1912年4月15日に生まれた。その生誕記念日は、盛大に祝われている。金日成氏の死から14年経ったが、彼は今でも北朝鮮の地で「生きている」と言えよう。遺体が永久保存されているからだ。

金日成氏の逝去から11ヶ月後の1995年6月、金正日総書記は金日成氏の執務室があった錦繍(クムス)山議事堂を錦繍山記念宮殿に改築し、遺体を永久保存する決定を下した。

遺体の保存作業は、世界最高レベルの遺体永久保存技術を有するロシアの生物構造研究センターが担当した。レーニン、スターリン、毛沢東の遺体をエンバーミングしたことで知られる。

それ以外にもブルガリアのディミトロフ、チェコスロバキアのゴットワルト、ベトナムのホーチミン、アンゴラのネト、ガイアナのバーナムなどのエンバーミングも行っている。金日成氏のエンバーミングは同センターが手がける9人目の国家指導者となる。

遺体の保存には常日頃からのメンテナンスが必要だ。1週間に2回は遺体を棺から取り出し、顔や手に防腐剤を塗り、2〜3年に1回はバルサム液の水槽に1ヶ月ほど漬ける作業が必要となる。

その費用は莫大なものとなる。

「巨額を使わなければ人々が餓死することはなかった」

ロシアのモスクワニュースは1995年7月7日に、ロシア人技術者7人が金日成氏の遺体保存作業を終えたと伝えたが、それまでにかかった費用だけでも100万ドルで、それ以降も莫大な金額の維持費がかかるとしている。

また、1996年7月に北朝鮮を訪問したインドネシアのゴルカル党の代表団は、朝鮮労働党の幹部から、「金日成氏の遺体の管理のために、年間80万ドルが必要」と説明されたという。

北朝鮮当局は、金日成氏の遺体を一般住民に公開しており、1996年7月27日の祖国解放戦争勝利43周年記念日からは、外国人観光客にも公開された。

金日成氏の遺体が安置されている部屋に行くには、すべての荷物を預けなければならない。X線の検査台を通った後、ウェットカーペットの上で靴底のほこりや菌を除去し、SF映画に出てくるような吸入濾過器に入り、服についたすべてのほこりを除去してようやく入場が認められる。

元朝鮮労働党の書記だった北朝鮮民主化委員会の黄長ヨプ委員長は、「北朝鮮が錦繍山記念宮殿の聖域化事業を行っていた当時、北朝鮮は洪水と日照りに襲われた。巨額の資金をかけなければ、あれだけ多くの人が餓死することはなかった」と述べた。

北朝鮮当局は、1994年に金日成氏が逝去してからの3年で、生誕記念日の記念行事などの費用として、約6900万ドルを費やしたと言われている。

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