北朝鮮の住民の間で大々的な人気を博してきた「韓国産チョコパイ」が、最近、平壌の市場から姿を消したと内部情報筋が伝えてきた。

韓国製のロッテ(左)とオリオン(右)のチョコパイ。北朝鮮ではしっとりしたオリオンより甘いロッテのチョコパイの方が人気が高いという。
韓国製のロッテ(左)とオリオン(右)のチョコパイ。北朝鮮ではしっとりしたオリオンより甘いロッテのチョコパイの方が人気が高いという。

平壌のデイリーNK情報筋は「最近(当局の)取締強化により、韓国産チョコパイが市場で手に入りづらくなった。韓国製品を市場で販売することを取り締まるよう指示が出され、市場では中国製品と北朝鮮が独自開発した『チョコパイ』しかない。平壌の市場で売られているのはリョンソン食料工場で作られたチョコパイだが、量も少なく味もよくないため、住民はよほどのことがない限り買おうとしない。昨年は物珍しさに多少は需要があったが、最近は買う人が減っている」と伝えた。

韓国産チョコパイは開城工業団地の北朝鮮従業員に間食として提供される。一部の従業員は食べずに市場で売るようになり、住民の間で大人気商品となった。韓国産チョコパイは市場で1個当たり約1500ウォン程度で取引される。北朝鮮産チョコパイはパッケージに「チョコパイ」などの文字が印刷されており、注意しないと韓国産と区別できないほどだという。

情報筋によると、取締任務を担当する保安員らは最近に入り、市場を巡回しながら中古衣類など韓国製品と疑われる商品を押収している。これまでMade in Koreaの商標が切り取られ流通していた韓国製の衣類などを当局が遮断しようとしている。

こうした動きは「我々式社会主義」を強調する北朝鮮当局が、住民の間で韓国製品に対する認識がよくなることを防ぐためだと思われる。北朝鮮の国営メディアは南北関係が冷え込んだのは韓国が悪いと非難を連日繰り返している状況で、韓流が住民の思想教養を阻害すると判断したのではと情報筋は分析する。

情報筋は「闇取引されていた韓国ドラマのソフトも取締強化で姿を消した。(当局は)対決ムードの中で南朝鮮に責任を転嫁しているのに、住民が韓国文化を楽しむ事態を傍観するわけにはいかなかったよう」と話した。

一方、平壌以外の別の都市の市場では韓国産チョコパイが公然と売られているという。両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)の情報筋は「昨年末から2ヶ月ほど『韓国産チョコパイに有害物質が含まれている』との噂が流れ、市場から姿を消したことがあったが、今では復活している」と伝えた。

デイリーNKは先月18日、開城工業団地の北側従業員が韓国企業から間食として受け取る「チョコパイ」を賭けてスポーツの試合をすることもあると報道した。

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