李明博政府の出帆を控えて、韓米両国で同盟関係の発展に対するバラ色の展望が出ている。だが、韓米同盟の前には多様な課題が横たわっており、南北関係も10年前と比較して、より困難な宿題を解かなければならないという指摘も出ている。

デイリーNKは17日、アメリカの代表的な朝鮮半島専門家である、ジョンズホプキンズ大学国際大学院(SAIS)のドン・オーバードーファー教授に会った。ワシントンポスト記者、同東京支局長を歴任し、ジョンズホプキンズ大学の韓国研究所の設立を主導した。

オーバードーファー教授は2005年11月に韓国で行った招請講演で、「韓国は現在、アイデンティティの危機に瀕しており、両国の国民と指導層全てにおいて、韓米同盟が困難な状況にある」と警告した。3年経ち、韓国で新政府の出帆を控えた現在、今後の韓米関係に対する展望を聞いた。まず、李明博大統領をどのように評価しているのか尋ねた。

オーバードーファー教授は「韓国のこれまでの大統領の中で、軍人だった朴正煕、全斗換は軍隊の経験があるが、それは特別で狭い領域にあたる。盧泰愚も同じだ。(他の)前任者たちは基本的に政治家で、彼らは大衆にアピールする方法を知っていた」と語った。

さらに、「だが、李明博は現代グループの会社を経営し、企業(機関)での経験がある。また、歴代大統領と比べて多くの国際経験がある。私の考えでは、これ(企業経営)が彼にとって貴重なものとなり、役に立つだろう」と分析した。

また、「韓国は政治・経済的にかなり複雑な所だ。これまでの経験から見ると、李明博は本当に他の大統領よりも資質があると思われる。それ(資質)で何をするのか、どんな挑戦をするのかはわからない」と話した。

オーバードーファー教授は李氏と2度会い、細心さと率直さに驚いたという。

「私は韓米関係の展望は肯定的だと考えている。去年、彼(李明博氏)と韓米関係について2度話し合った。細心で率直な人ということに驚いた。李氏が韓国のリーダーになり、現実的に多くの問題を解決するという点で、相当な期待をかけている」と語った。

また、ブッシュ大統領は李明博氏が当選し、今後韓米関係が非常に建設的に進むだろうと展望した。

「アメリカと韓国の関係はかなり良好だ。大きな問題はなさそうだ。この10年間の進歩的な大統領よりは、多少は保守的な大統領であるため、ブッシュ政権は韓国に対してより気楽に接することができるだろう。ブッシュ政権以後、どのような政府が来るのかは分からない。だが、韓米関係には、新しい問題が感知されてはいない。李氏がすぐにアメリカを訪問するだろうと期待している」と話した。

教授に、金正日総書記が李明博政府についてどう考えているのか問うと、「金正日がどのように考えているのか分からない。北朝鮮が韓国に対する関係において、重要な変化があるという確かな信号を探知することができなかった。だが、内部消息筋を通じて北朝鮮が憂慮を表明したことがあったということは知っている。だが、金正日はこの状況を見守っていると思う。そして言うだろう。『下にいる人たち(韓国)、あなた(韓国)たちは私たちが何をするのか、絶対に分からないだろう』と」

韓米関係が強化されれば、南北関係は弱まるはずだという指摘が韓国であると話すと、「そのようには思わない。向上した韓米関係が、米朝関係にインセンティブを与え、互いに交換すれば相互作用になると考える。これは韓国が長い間求めてきたことだ」と語った。

また、最近北朝鮮の核申告の遅延がもたらす問題点について聞いた。教授は韓国と肯定的な方法で協力してながら核を申告する政策に、同意しない人々が平壌にいると言った。

「北朝鮮は彼らがしなければならない完全かつ全面的な申告をしたら、本当によかった。彼らは申告をしたが、完全ではないと思う。北朝鮮はこれまで、どんな申告もしなかった。それは不幸なことだと考える。彼らが同意した申告をしなかったら、状況は肯定的な方向に向かわなくなる。北朝鮮はそれ(そうした認識)を共有する必要がある」と語った。

続いて教授は、「彼らがどうして(核申告を)しないのかについて、2つの推測を持っている」として、次のように話した。

「この案件(核問題)と努力に関心がなく、韓国と肯定的な方法で協力して申告する政策にに同意しない人々が平壌にいる。私の推測では、軍隊と党組織がこの問題に情熱を持っていないということだ。これをひとつめの理由として上げることができる」

「テロ支援国リストからの削除などと関連して、私たちが合意した約束を履行しないことにより、北朝鮮に一種の口実を与えたのは残念だと思う。米国は彼ら(北朝鮮)にテロ支援国指定の解除を約束するだろうし、私が希望するのは、彼ら(北朝鮮)が先に(核申告を)行うことだ。しかし、それ(そのような見通し)は、私の能力を超えている」

オーバードーファー教授は最後に、「私には北朝鮮の核申告義務の履行が国家的関心事になっているだろうとの確信が、まだ残っている。韓国で新大統領が選ばれ、彼は就任する。李明博次期大統領が、相互主義について発言したことが、おそらくは核申告よりも北朝鮮の大きな関心事であるかもしれない」と話した。