米軍によるイラン空爆と最高指導者アリ・ハメネイ師の死亡報道は、北朝鮮の中朝国境地域に静かな衝撃を与えている。外部情報が厳しく遮断された同国ではあるが、夜間や人目を避けて小型ラジオを隠し持ち、海外放送に耳を澄ませる人々も少なくない。
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、咸鏡北道のある住民は「数日前、ラジオで米国が航空攻撃によりハメネイを排除したとのニュースを聞いた。驚きと同時に、これからイランがどうなるのか気になっている」と語った。当初は摘発を恐れて誰にも話さなかったが、後日、親しい友人から同じ情報を打ち明けられたという。「友人も私と同じように、密かにラジオを聴いていた」と明かした。その友人は「米国は相当な決意でイランを攻撃したのだろう。イランが持ちこたえるのは難しいのではないか。首脳部を一度に排除する米国の能力は驚くべきものだ」と語ったという。住民は「世界を見れば米国と関係を改善した国は発展しているが、対抗してきた国は貧困に苦しんでいる。我々も反米だけを叫んでいれば大きな代償を払うことになる」との声も紹介した。(参考記事:ハメネイ師の娘も殺害…「後継者ジュエ」の未来にも暗雲)
両江道の住民もRFAに対し、「シリアなど、かつて我々と近かった反米国家は次々と崩れた。今回イランまで体制が変われば、事実上、反米を掲げる国家は我々だけになる」と危機感を示す。「実際にはイランより我々の方が悲惨だ。米国が我々にも関心を向けてほしい」との本音も漏れた。
当局は重大な国際事件のたびに思想教育と統制を強めてきた。今回も監視と取り締まりが強化されるとの見方が強いが、国境の闇の中でラジオに耳を当てる住民たちの不安は、むしろ広がりを見せているようだ。
