北朝鮮で朝鮮労働党第9回大会が開幕し、最高指導者の金正恩総書記が開会の辞を述べた。演説は、誇示と叱責が交錯する異様なトーンに貫かれていた。

金正恩氏はこの5年間を「制裁・自然災害・世界的保健危機」という三重苦との闘争だったと振り返りつつ、「5年で全てが根本的に変わった」と強調。5カ年計画は「基本的に完遂」され、停滞を脱して前進の土台を築いたと自信を示した。

しかしその直後、矛先は党と国家機関の幹部へと向けられる。金正恩氏は、自信と苛立ちをむき出しに振り回すが、苛立ちが激怒へと転じる時、それは粛清の号砲となる。

今回の開会の辞にも、その相反する感情が色濃くにじんだ。成果を大々的にアピールする一方で、内部には「敗北主義」「形式主義」「無責任な姿勢」といった深刻な欠点が根強く残り、急速な発展を妨げる「人為的障害」となっていると厳しく批判。次段階の闘争計画を主導できる指導陣容の強化を求め、成果と欠点を正しく総括し、具体的対策を講じるべきだと述べた。

(参考記事:「泣き叫ぶ妻子に村中が…」北朝鮮で最も”残酷な夜”

さらに「新時代5大党建設路線」に即して党の指導機能を一層強化すると宣言。党中央の各部署に対し、今後の発展目標と実行計画を具体化するよう求めた。これは事実上、成果を誇示しつつも責任を幹部に転嫁し、引き締めと再動員を予告するメッセージと受け止められる。

金正恩氏にとって成果と自信を誇示する今回の大会は、幹部層にとって新たな綱紀粛正の始まりを告げる舞台でもあるのかもしれない。