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李升基博士は現在の韓国の全羅南道の潭陽出身。旧制松山高等学校を経て、京都帝国大学の工学部に進学した。世界で2番目とされる合成繊維「ビニロン」を開発し、京都帝国大学で工学博士学位を取得した。同学の化学研究所で助教授を務めた。

朝鮮半島が日本の植民地支配から解放された後は韓国に戻り、ソウル大学の工学部の部長をつとめた。朝鮮戦争中に、後に北朝鮮の重要政治家となる李鍾玉(リ・ジョンオク)氏に説得されて、北朝鮮に渡った。

李博士は、1961年に北朝鮮独自の化学繊維「ビナロン」を開発し、生産を主導した。寧辺原子力研究所長(1967)と自然科学院咸興分院長(1987)を務めるなど北朝鮮の科学界を代表する人物とされる。

米韓当局も北朝鮮が核やサイバーテロと共に非対称3大戦力として挙げる化学兵器を開発していると指摘する。韓国軍は2012年の国防白書で「(北朝鮮は)1980年代から化学兵器を生産し始め、約2500〜5000トンの各種化学兵器を全国的に分散する施設に貯蔵しているものと推定される」とした。

ヘーゲル米国防長官も4日(現地時間)、米上院外交委員会で「北朝鮮が莫大な量の化学兵器を保有している。最近、韓国の金寛鎮国防長官と面談し対応方案について長時間議論した」と話している。

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北朝鮮は189カ国が加盟する化学兵器禁止条約(CWC)に加盟していない。国際社会は化学兵器を人道に反する兵器と定め、CWCで化学兵器の開発・生産・備蓄・使用を全面禁止している。