北朝鮮の金正恩体制が、後継構想を一段と露骨に示した。1月1日の錦繡山(クムスサン)太陽宮殿参拝で、金正恩総書記は娘・金ジュエ氏を中央に立たせ、自身と妻の李雪主氏を左右に配した。この立ち位置は単なる家族写真ではない。国家的聖地である錦繡山において「次代の中心」が誰であるかを、国内外に示す強烈な政治的演出だった。

金正恩氏が娘を公式行事の「センター」に据える構図は今後、珍しくなくなっていくかもしれない。

実際に軍関連施設の視察、式典、記念撮影――そのたびにジュエ氏は象徴的な位置を与えられてきた。体制側が「白頭の血統」の正統な継承者として、彼女を意識的に可視化しているのは明らかだ。これは偶発的な演出ではなく、金正恩氏自身が主導する長期的な権力継承プロジェクトと見るべきだろう。

だが、ここに一つの不安定要素がある。

対立も生む「血縁」

ジュエ氏が成長し、権威と権力に対する強烈な「自我」に目覚めたとき、事態はどう転ぶのか。