韓国の独立系メディア「サンドタイムズ(ST)」は、北朝鮮の金正恩総書記が昨年末、党・政府・軍の中枢幹部約10人を非公開で緊急招集し、国家運営をめぐる重大な談話を行っていたと報じた。
各地の地方工場竣工式に相次いで出席し、自身の看板政策「地方発展20×10」の成果を誇示する中で、日々、自分に上がってくる報告と現場の実態に大きな乖離があることに激怒したもようだ。突然平壌に戻って開かれた会合で、金氏は「総体的難局」を口にし、側近に対して厳しい叱責と具体的な是正指示を突きつけたという。
そしてその場では、歴史的な「血盟」を強調してきたロシアとの関係についても、ホンネが漏れたという。
STによると、会合は先月21日、党中央委員会本部庁舎の執務室で行われ、趙甬元(チョ・ヨンウォン)党組織書記、金与正(キム・ヨジョン)党副部長、崔善姫(チェ・ソニ)外相らが出席。談話は2時間以上に及び、その後、金氏の直筆指示が中央・地方の各級党組織に下達されたとされる。
消息筋の一人は「金総書記は激昂した口調で国家全般の行き詰まりを訴え、側近でさえ当惑を隠せなかった」とST証言。金正恩氏はまず、党政策が文書や報告書の上にとどまり、民生の現場で機能していない「乖離」を問題視し、「虚偽報告と机上行政こそが決定的な問題だ」と強く批判したという。
外交路線についても踏み込んだ注文があった。金正恩氏は崔外相や趙書記を名指しし、ロシアとの軍事的接近や中国との戦略的連携を、単なる外交ではなく「外貨を稼ぎ、人民の生活を支える実務的通路」にせよと指示。ロシア派兵の見返りを徹底して受け取り、中国との交流で外貨と必要物資を確保するよう求めたと伝えられる。
(参考記事:「ロシアが助けてくれる」打ち砕かれた北朝鮮の希望…プーチンの裏切で「経済危機」も)
さらに内部統制と財政管理の強化も強調された。金正恩氏は金在龍(キム・ジェリョン)規律調査部長に対し、党資金や国家資産が一部幹部によって「私的金庫化」されていると警告し、これを「革命への厳重な裏切り」と断じた。金用洙(キム・ヨンス)財政経理部長には、わずかな資金や資材であっても住宅建設現場に回すよう求め、財政の透明性と優先順位の徹底を指示。前例のないほど具体的な数値に言及し、不満を露わにしたという。
STは、第9回党大会を前に、金氏が大規模な人事刷新と統治方式の転換を予告する動きだと分析。平壌の支配エリート層が強い緊張感に包まれていると伝えている。
