ポーランド空軍が導入した韓国製軽戦闘機FA-50をめぐり、米国が中距離空対空ミサイル「AIM-120(AMRAAM)」の統合を認めていなかったことが明らかになり、改修計画そのものが暗礁に乗り上げている。
軍事専門メディア「ディフェンスエクスプレス」は、ポーランド側がFA-50を本格的な戦闘機へと改修する計画を「経済的に不合理」と判断した背景には、米国の姿勢が大きく影響していると報じた。
ポーランドは韓国航空宇宙産業(KAI)と契約し、FA-50を48機導入。そのうち12機は暫定的な「FA-50GF」として配備され、将来的には戦闘能力を強化した仕様へ改修する計画だった。しかし、米国製AIM-120の統合が認められなければ、同機は中距離空対空戦闘能力を欠いたままとなり、実戦的価値が大きく損なわれる。
報道によれば、レーダーや兵装統合の遅れに加え、米国側の輸出管理が障壁となり、改修費用が想定以上に膨らむ見通しとなった。このためポーランド空軍は、FA-50GFを本格的戦闘機へ発展させる構想を事実上断念する方向に傾いているという。
(参考記事:中国の最新鋭機も無力化…空自F-15の「切り札」電子戦装備)
ロシアの脅威を背景に急速な戦力増強を進めてきたポーランドにとって、今回の判断は痛手だ。米国主導の兵器管理体制が、同盟国の戦力整備にも制約を与える現実が浮き彫りとなっている。
