北朝鮮の朝鮮中央通信は29日、平安南道殷山郡に建設された製紙工場の竣工式が28日に行われ、金正恩総書記が出席したと報じた。地方工業の近代化を進める政策の一環として建設されたもので、同通信は「地方発展政策の成果を象徴する施設」と強調している。
新たに完成した殷山製紙工場は、筆記用紙や包装紙、衛生用紙などを生産する拠点とされ、各道が自らの需要を満たす製紙工場を建設するという党中央の方針に基づく「モデルケース」と位置づけられている。
竣工式には、党・政府・軍の幹部をはじめ、平安南道や殷山郡の関係者、工場従業員、国家科学院の科学者や技術者らが参加した。式典では、朝鮮労働党中央委員会の李日煥(リ・イルファン)書記が演説し、工場建設に携わった科学者や技術者、労働者らの功績を称えた。
李書記は、金総書記の指導の下で設計や技術開発が進められたことで、製紙工業の発展に寄与する「総合的生産拠点」が完成したと強調。地方の資源を活用した自力更生型の産業モデルであり、全国的な模範になるとの認識を示した。
金総書記はテープカットを行った後、工場内を視察し、原料の多様化や生産効率の高さを評価したという。また、紙は科学技術や教育、文化生活などあらゆる分野で不可欠だとして、国産原料と独自技術に基づく製紙産業の発展を重視する姿勢を改めて示した。
さらに、設備管理や技術管理の徹底によって品質向上と持続的成長を図る必要性を指摘し、殷山製紙工場の経験を全国に拡大する方針を明らかにした。
