ここ最近、金正恩ファミリーの振る舞いをめぐり、北朝鮮内部で静かな違和感と疑問の声が広がっている。12月15日、金正恩氏は地方工場の竣工式に妻・李雪主氏、娘の主愛(ジュエ)氏を伴って出席し、半年ぶりに「親子3人」がそろう姿が公開された。金ジュエ氏は高級ブランドとみられるロングコートを羽織り、李雪主氏は庶民には到底手の届かないグッチの高級バッグを携えていた。

一方、金与正氏は18日の地ビール工場でビールを振る舞うなど、対照的な“庶民派”演出も目立った。しかし金正恩氏自身は、食品製造ラインに衛生対策もないまま入り込み、製品や設備に直接触れるなど、不衛生極まりない行動を見せている。20日の三池淵市ホテル竣工式では、金正恩父娘がまるで恋人同士のように密着するシーンが報じられた。

この様子は、北朝鮮社会に根強い儒教的価値観や、指導者に求められてきた「道徳性」「品位」のイメージと著しく乖離しているとの見方が広がり、「おぞましい」「いくら元帥様でも行き過ぎだ」といった否定的な反応も静かに伝えられている。

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最高指導者一家を批判すること自体が極めて困難な体制を考えれば、異例の兆候と言える。

背景には、最近顕著な「主愛中心」の演出がある。