ウクライナと戦争状態にあるロシア西部クルスク州に派遣され、地雷除去任務に当たっていた北朝鮮の人民軍工兵部隊が帰国し、金正恩総書記が自ら出席する大規模な歓迎行事が行われた。

国営の朝鮮中央通信は13日、「海外作戦地域に出兵していた朝鮮人民軍工兵部隊の指揮官、戦闘員が付与された軍事任務を完遂し、勝利の凱歌を高らかに帰国した」と報じた。12日には、平壌の4・5文化会館広場で第528工兵連隊の歓迎式が盛大に行われたという。

これまで、北朝鮮がロシア軍の支援の下で奪還したとされるクルスク州に、地雷除去のため工兵兵力約1000人、社会基盤施設の再建を担う軍建設人員として2個旅団規模の約5000人を追加派遣したとの情報が伝えられてきたが、工兵部隊の投入が公式に確認されたのは今回が初めてとなる。

金正恩氏は歓迎式に出席し、「9人の痛ましい犠牲はあったが、工兵連隊の指揮官、兵士たち全員が戻ってきてくれたことに感謝している」と述べたと労働新聞は伝えた。演説では、「海外地域に出兵し、戦闘任務を責任をもって遂行して帰還した工兵連隊の全指揮官、兵士を熱烈に歓迎する」とした上で、「第528工兵連隊は、わが軍の比類なき勇敢さと強大さ、専門性を堂々と代表する誇るべき戦闘隊列だ」と称賛した。

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同連隊は、党中枢軍事委員会の決定と命令に基づき5月28日に編成され、8月初めに出兵。ロシア連邦クルスク州で地雷除去などの工兵戦闘任務を遂行し、「顕著な戦果を挙げた」と強調された。金正恩氏は、「数年かかっても制圧が困難な広大な危険地帯が、3カ月にも満たない短期間で安全地帯に転換される奇跡が成し遂げられた」と述べ、人民軍の「大衆的英雄主義」による成果だとした。

また、「危険な地域に工兵部隊を再び送らなければならなかったその瞬間から今日までの120日間は、一日一日が十年のようだった」と心境を吐露し、「皆がこうして戻ってきたことで、ようやく胸をなで下ろせる」と語った。

北朝鮮当局は、戦死者9人に共和国英雄称号と国旗勲章第1級、戦士の栄誉勲章第1級を授与。連隊の軍旗には自由独立勲章第1級が贈られた。金正恩氏は4・25文化会館中央ホールに設けられた追悼の壁を訪れ、戦死者9人の肖像の前で献花・黙祷し、悲嘆に暮れる遺族とも面会した。歓迎式では、工兵部隊員の帰国を祝う祝賀公演も行われた。